(2)  カルガモの繁殖地としては12区の中で2番目に重要である。

2015年6月に2区で初認のH家族

カルガモの繁殖については、後ほど詳細に触れるが、調査期間中ヒナを連れた親ガモを初めて見た場所を、その繁殖地であるとすると、2014-15年の2年間で、9区で繁殖したカルガモは、のべ10家族、2区は5家族、7区は3家族、8区が1家族となっており、2区は9区に次いで重要な繁殖地となっている。(資料2
動物が繁殖できる環境は、生物多様性にとって非常に重要で、公園内全体でカルガモの繁殖環境も必ずしも十分に存在するとは言えない。この貴重な環境を失うと回復は困難であり、繁殖率を上げるよう改善しつつ保全していくことを真剣に検討すべきであると考える。

(3)  タカの仲間ツミが繁殖する、都内においても非常に重要な林である。

2014年6月に2区で巣立ったツミの幼鳥

ツミは東京都区部の絶滅危惧種IA類に指定されている貴重な生物である。猛禽類が繁殖するためには、食物となる動物が豊富に生息しなければならず、また、人間に邪魔をされず、育雛を継続できる自然環境が必要となるので、かなり大規模な森林を擁する公園でもその繁殖は容易ではない。
猛禽類は園内各地で目にすることができるだけでも、十分に貴重な環境であるといえるが、2013年、14年には2区で、16年には3区で繁殖が成功(育雛中 *最終的に3羽のヒナが無事に巣立った)している。江戸川区にある都立の葛西臨海公園には鳥類園もあり、多くの猛禽類が生息しているが、80haの広さの公園でもツミの営巣記録は2013年に1度だけしかなく、抱卵までには至っていない。住宅密集地の中にある、仙台堀川公園で過去に何度も営巣し、ヒナが巣立っているという事実は、江東区にとって重要であることは勿論、東京都においても貴重な自然環境の一つである。

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