(3)  広場が他と同じようにあるのに、なぜ2-3区は鳥が多いのか

一番わかりやすい理由は、2-3区におけるこのような運動広場は、その他の地区の同様の広場に比べると狭いことなのではないか。広場はあっても周囲の林が発達しているので、広場の周囲にも十分に高い木々があり、広場の上はそれらの木々の枝がかかっているために、下から見上げると(ほかの地区の広場と比べると)空の見える部分が少なくなっている。

2区のゲートボール場は狭く、周囲には木が多い2区のボールの壁打ち広場の一部は、木の枝が
張り出しており、奥側には亀高公園がある。
3区の広場(合成写真)は、3区の中で
最も木の少ない場所である

4区の広場は広いがほとんど木がない5区の広場は広いが木が少ない
8区の広場は2-3区以外では最も木が多い広場9区の広場は狭いが木は少ない
2区に隣接する東砂1丁目公園2区に隣接する亀高公園
3区に隣接する城東公園3区に隣接するマンションの緑地


さらに、このような広場の周辺にはほかの公園などが隣接しているところがあり、仙台堀川公園と周辺緑地を含めた幅広い緑地帯を鳥たちが認識しているので多くの鳥が集まっているのではないかと考えられる。
2区では北から健康遊具広場、草地の広場、ゲートボール場がつながっているが、これらの東側にはマンションの緑地と東砂一丁目公園があり、その公園の東側には寺院の境内がある。また、少し2区の南には壁にボールを投げる広場があるが、その西側には亀高公園がある。3区でも北側は東の城東公園と西側のマンションの駐車場とマンション西側の緑地が一体となっている。
広場が球技等で使用されている間も、2-3区内だけではなく隣接した公園に逃げる選択肢もとれる。そもそも鳥にとっては、仙台堀川公園でもそのとなりの何とか公園でも関係はなく、安心して採餌・生活が営める十分な広さの自然環境があればそこで暮らすということなのかもしれないが、このような環境があることが2-3区の強みであり、鳥たちが他よりも多く生息できているのではないかと思われる。

整備計画においてもこれら周辺の環境との融合を意識した対応を考えることが期待される。特に、2-3区両側の道路が拡幅することにより、周辺の緑地との関係も大きく悪化する恐れがある。これを緩和するために、例えば道路を半地下とし、幅広い緩やかなスロープで隣接の緑地とつなげることにより、飛べない生き物でも道路による分断の影響を最小限とすることに加え、スロープ上には十分な土壌の基礎を作り植樹も行い林を周辺緑地と実質一体化が図られるような対応ができれば、仮に道路の拡幅が避けられないものであっても生態系への影響は、補償することができるのではないか。
また、この考え方を将来に敷衍し、現在公園を横切る大通りの上か下を通る生態系の通路で(土も水も)つないでいくようなビジョンを持ち少しずつできるところから実施していくことができれば理想的である。

注:整備計画では、広場の数こそ少なくなるが、両側の道路面積が広くなると同時に公園全体の面積が少なくなり、公園のほぼ中央に水路と道を通すことで、現在の林の優位性が完全に失われ、周辺緑地との相乗効果も大きくそがれる恐れが多大となります。

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